【書評】ビットコインの歴史が紐解かれる『デジタル・ゴールド』

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以前、ビットコインのドキュメンタリー映画についてレビューした記事がNewspicksに取り上げられた際、起業家の家入一真氏がこの本を紹介していたので、早速に読みました。

ビットコインの歴史を知るための伝記としてだけでなく、読み物としても非常におもしろくて一気に読み終えてしまいました。とてもいい本だったので、書評としてまとめておきたいと思います。

ビットコインの知られざる物語

驚くべき物語だ……来るべき世界について知りたいのなら、欠かせない一冊だ。

これは、かつてCNNのCEOを務めたウォルター・アイザックソン氏による評価ですが、その他にも識者からこの本は絶賛を浴びています。ニューヨークタイムズの記者である著者は、ウォールストリートとシリコンバレーについて横断的な知識を元に、綿密な取材を重ねて本書を作り上げたようです。

この本では、ビットコインの開発(2009年)から2014年に至るまで、ビットコインに影響を与えた出来事が時系列で紹介されています。おどろくほど詳細な情報が多いのですが、それも著者の文章力や構成力できっちりと物語化されており、非常に読みやすく仕上げられています。

単なる情報の羅列にはならず、読み応えのあるノンフィクション。文章の肝とはいかにしてムダを省くかということだと思いますが、この本は翻訳者の辻方氏の翻訳技術も相まって非常に読みやすく、ビットコインのことを知らない人でも楽しんで読める本です。

ありきたりなベンチャー物語とは一線を画す

著者のサニエル・ポッパー氏が、「孤独な天才が新たな世界を創りあげて一攫千金を果たすという、ありきたりのベンチャー物語とは違う」と言うように、この本はさまざまな理想や思惑からビットコインに身を投じた人々の群像劇です。

ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモト氏の開発をサポートした面々。ビットコインの可能性にいち早く気づき、取引所事業で起業した人々。その匿名性の高さに注目し、麻薬や武器など違法な品々を売買するサイトを運営し、終身刑になった犯罪者。ビットコインと対立する金融業界の重要人物など、たくさんの人々を巻き込んで展開されていく物語は、読者を飽きさせません。

国家を信用できない人々の存在

この本で度々登場するウェンセンス氏というビットコイン起業家が、生まれ育った国アルゼンチンでビットコインを手売りしていた際に、毎回大金を持ってビットコインと交換しにくる老人がいました。

取引の回を重ねるごとに、交換する額(アルゼンチンペソ)が増えていくことを心配したウェンセンス氏は、老人にビットコインのリスクについて説明します。しかし、老人はそれについて思いもよらぬ返答をしました。そのやり取りがとても印象に残っています。

「これはかなりの額に思えますし、とてもリスクが高いんですよ。すべて失うかもしれないとわかっていますか?」

「あなたのご家族は、ペソで貯めておいた全財産を失ったことが何回あるかね」

「二、三回でしょうか」

「そうだろうね。私はそれ以上だ」

このやり取りを見ると、アルゼンチン人と日本人の自国に対する信頼が大きく異なるということがわかります。日本で生まれ育っていれば感じることは少ないのですが、世界には自国を信用できない人々がたくさんいます。アルゼンチンもそういった国のひとつで、アルゼンチン人であるこの老人にとって、ペソよりもビットコインの方が信用できるのです。

法定通貨のような「誰かが管理しているもの」は、その誰かの信用がなければ成り立ちません。一方、ビットコインの仕組みは分散型の管理システムなので、特定の誰かが管理しているわけではありません。それは「人間は利己的な行動に走りがちだ」という性悪説に立ったとき、最も信頼できる仕組みだとも捉えることができます。

最後に

この本を読めば、開発当初から2014年にかけて、ビットコインを取り巻く環境がどのように変わってきたのかを知ることができます。ビットコインがどのような経緯でここまで育ってきたのかを知る上で、これより最適な本はないでしょう。

ビットコインの歴史を知りたい人から、物語・小説好きな人まで、幅広く楽しめる本だと思います。ぜひ読んでみてください。

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